行政書士の独学独学で受かる人の条件、教材の選び方と記述式までの進め方
行政書士は独学でも合格を狙える資格です。独学に向く人・向かない人、公式の試験科目を起点にした教材の選び方、行政法と民法から始める進め方の手順、記述式と基礎知識の足切りなど独学でつまずく点の対策を解説します。
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行政書士は、独学でも合格を狙える資格です。受験資格がなく、試験科目と出題形式が公表され、センターが令和2年度以降の過去問と正解を無料で公開しているため、市販の教材だけでも学習を組み立てられます。ただし、法律の初学者は講座会社の目安で800〜1,000時間程度が必要とされ、記述式の答案を自分で評価しなければならない点が独学の壁になります。
このページでは、行政書士の独学に向く人・向かない人、教材の選び方、進め方の手順、独学でつまずきやすい点を説明します。
行政書士の独学に向く人・向かない人
| 向く人 | 向かない人 |
|---|---|
| 宅建や大学の法学部などで、民法の基礎を学んだことがある | 法律の文章を読むのが初めてで、条文の言い回しに抵抗がある |
| 1年近い学習計画を自分で立てて守れる | 試験まで半年を切ってから始める |
| 間違えた理由を判例や条文で自分で調べられる | 疑問点を質問できないと手が止まる |
| 書いた記述式の答案を、正解例と比べて冷静に直せる | 文章を書く練習が苦手で、後回しにしがち |
向かない条件が2つ以上当てはまる人は、講座の利用も検討してください。講座の比較は 行政書士の通信講座 にまとめています。
教材の選び方(公式の試験科目を起点に)
センターの「試験の概要」では、試験科目は次の2つに分かれます。教材は、これをすべて扱っているかで選びます。
- 法令等(46題):憲法、行政法、民法、商法、基礎法学
- 基礎知識(14題、令和6年度から):一般知識、行政書士業務に関連する諸法令、情報通信・個人情報保護、文章理解
対象の法令は、試験年度の4月1日現在で施行されているものです。テキストと問題集は受験する年度の版を選んでください。独学の教材は、テキスト1冊(全科目)、分野別の過去問題集、記述式の問題集、直前期の模試の4つが基本です。テキスト選びの基準は 行政書士のテキスト で詳しく扱っています。
行政書士の独学の進め方(6つの手順)
- センターのサイトで最新年度の問題を見て、60問の形式(択一・空欄補充・記述)を確認する
- 民法と行政法のテキストを1周する。この2科目が法令等の中心で、記述式もここから出る
- 2科目の過去問を分野別に解き、間違えた問題をテキストで確認する
- 憲法・商法・基礎法学・基礎知識に広げる
- 学習の中盤から、記述式を週1〜2問のペースで書く
- 直前3か月は、年度別の過去問と模試を3時間で通して解く
行政書士の独学でつまずきやすい点と対策
- 記述式の採点:正解例と見比べ、キーワード(結論、要件、効果)が入っているかを自分でチェックする。書いた答案は捨てずにファイルし、同じ間違いを繰り返していないか見直す
- 行政法の範囲の広さ:行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法と法律が多い。法律ごとに「誰が・いつまでに・何をする」を表にまとめる
- 基礎知識の足切り:法令等で高得点でも、基礎知識が基準点に届かなければ不合格になる。文章理解は毎日1問、個人情報保護は直前期に条文と過去問で固める
- 判例の扱い:民法・行政法・憲法では判例の結論が問われる。結論だけでなく、なぜその結論になるかを一文で言えるようにする
独学を続けるか講座に切り替えるかの判断時期
独学で始めた人も、途中で講座に切り替えることはできます。次の時期に、自分の進み具合を確かめてください。
| 時期 | 確認すること | 切り替えを考える目安 |
|---|---|---|
| 開始から3か月 | 民法・行政法のテキストを1周できたか | 1周目が半分も終わっていない |
| 6月ごろ | 過去問の正答率 | 行政法・民法の正答率が5割に届かない |
| 8月(申込時期) | 記述式を書き始めているか | 記述式に手を付けていない |
切り替えるときは、すべてを講座に置き換える必要はありません。記述式の添削や直前期の模試だけを講座で補う方法もあります。
独学にかかる費用と時間の目安
独学の費用は、受験手数料10,400円(インターネット申込はシステム手数料370円)と市販教材の代金です。講座と比べて費用は抑えられますが、800〜1,000時間の計画と管理はすべて自分で行います。勉強時間の計算例は 行政書士の勉強時間 を参照してください。
令和7年度の合格者7,292人のうち、どれだけが独学かは公表されていません。「独学の合格率」といった数字を目にしたときは、出どころを確認してください。
行政書士の独学のFAQ(よくある質問)
Q. 行政書士は独学で何か月かかりますか?
A. 初学者は800〜1,000時間程度(講座会社の目安)です。1日3時間で約9〜13か月になります。
Q. 独学で記述式の対策はできますか?
A. できます。記述式の問題集と公式の正解例を使い、キーワードが入っているかを自分で確認する練習を続けてください。
Q. 宅建に合格していれば独学でも大丈夫ですか?
A. 民法の基礎があるため有利です。ただし行政法と記述式は宅建にない内容なので、新しく学ぶつもりで準備してください。
筆者の見解(行政書士の独学)
私見では、行政書士の独学で合否を分けやすいのは、択一式の知識量より「記述式と基礎知識を後回しにしないこと」だと考えます。どちらも独学では手を付けるのが遅れがちですが、記述式は民法・行政法の理解の確認にもなり、基礎知識は基準点に届かなければ法令等の得点に関係なく不合格になるからです。そのため、本文の判断時期の表のうち、8月の時点で記述式を書き始めているかを最も重視したいと考えます。独学か講座かは二択ではなく、記述式の添削や模試だけを外部に頼る中間の選択肢を早めに比べておくと、費用と時間の両方で無理が少ないと思います。
行政書士の独学の関連項目
出典(一次情報)
本記事は資格・試験に関する一般的な情報の提供を目的としています。試験の日程・受験料・受験資格・講座の料金や制度は変更されることがあるため、最新の内容は試験実施団体・所管官庁・各講座の公式サイトでご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。