医療・福祉の資格

医療事務の難易度合格率の公表状況と合格基準・試験ごとの難しさの違い

医療事務の難易度を、医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)の合格基準70%・累計の受験者数と合格者数、年度別の合格率が公表されていない点、試験ごとの難易度の違い、つまずきやすい点から公式情報で整理します。

公的機関・公式資料などの一次情報と照合して作成しています。このサイトについて

医療事務の難易度は、国家資格と比べると高くありません。代表的な医療事務技能審査試験(日本医療教育財団)は受験資格がなく、学科・実技I・実技IIのすべてで得点率70%以上で合格し、受験中に参考資料を見られる形式です。ただし、財団は年度ごとの合格率を公式ページで公表しておらず、「合格率何%」という数字の多くは講座会社などの目安です。

このページでは、医療事務の難易度を、公式に確認できる合格基準と累計データ、試験ごとの違い、つまずきやすい点から整理します。

医療事務の合格率は公式に年度別で公表されていない

医療事務技能審査試験について、日本医療教育財団の公式ページで確認できるのは累計の数字です。

項目 数字
累計受験者数(昭和49年度からの50年) 171万人超
累計合格者数(昭和49年度からの50年) 99万人超
累計から計算した合格の割合 約58%

数字は財団の医療事務技能審査試験のページの記載(2026年10月確認。集計の時点は明記なし)です。以前は「約163万人・約92万人」と掲載されていた時期もあり、掲載時期によって数字が変わります。約58%は、財団が公表した累計の数字(99÷171)を割って求めた計算値で、財団が公表した合格率ではありません。昭和49年度からの通算で、試験の形式も今とは違う時期を含むため、最新年度の難易度を直接表す数字ではない点に注意してください。

講座会社の記事には「メディカルクラークの合格率は約50%前後」(キャリカレ)といった目安が載っています。これらは集計の条件が示されていない目安で、このサイトでは公式の数字として扱いません。

医療事務技能審査試験の合格基準

項目 内容
学科 医療事務知識(択一式25問・60分)
実技I 患者接遇(記述式2問・50分)
実技II 診療報酬明細書の点検(4問・70分)
合格基準 学科・実技I・実技IIのすべてで得点率70%以上
参考資料 受験中に見ることができる(IBT試験の案内による)

科目と合格基準は財団の試験概要ページ(2026年10月確認)によります。2024年4月公表のIBT試験の案内には「学科と実技それぞれ70%以上」とあり、科目の分け方が今の試験概要と違うため、受験前に最新の案内を確認してください。3科目すべてで70%が必要なため、1科目が高得点でも、ほかの科目が届かなければ不合格です。なお、70%に達した科目を6か月免除する制度は2024年3月度で終了しています。

医療事務の試験ごとの難易度の違い

医療事務の資格は民間資格で、団体ごとに難易度が違います。講座会社の比較では、次のような位置づけで紹介されることが多くあります。

試験 位置づけの目安 備考
医療事務認定実務者試験 入門 在宅受験、学科・実技とも原則正答率60%以上(ユーキャンの案内)
医療事務技能審査試験 中級 学科・実技I・実技IIのすべてで70%以上
診療報酬請求事務能力認定試験 上級 実施団体が2026年3月31日に解散

上級とされた診療報酬請求事務能力認定試験は、実施団体の日本医療保険事務協会が解散を告知しており、今から目指す試験の候補から外れます。難易度の比べ方は、合格基準(60%か70%か)と、実技でレセプトを作る量で考えるのが確実です。

医療事務が難しいと感じる理由

診療報酬点数表のルールが細かい

レセプトの点数は、初診料・再診料、検査、投薬、処置などの区分ごとに、加算や算定の条件が決まっています。暗記より「どこに書いてあるか」を引けることが大切で、点数表の構成に慣れるまでが最初の壁です。

実技の計算は1つのミスが全体に響く

診療報酬明細書の作成では、1つの算定漏れや点数の取り違えが合計点数に影響します。参考資料を見られる試験でも、時間内に正確に計算する練習が必要です。

診療報酬は改定がある

診療報酬は国の改定で点数やルールが変わります。古い教材で覚えた点数がそのまま使えないことがあるため、教材の対応年度を確認してください。

他の資格と比べた医療事務の難易度

医療事務技能審査試験は受験資格がなく、毎月受けられる点で、年1回の国家試験より挑戦しやすい試験です。比べる目安として、このサイトの数字では、登録販売者(都道府県の試験)の令和7年度の全国の合格率は40.7%(厚生労働省)です。資格全体の比較は 資格の難易度ランキング を参照してください。

医療事務の難易度のFAQ(よくある質問)

Q. 医療事務の合格率はどのくらいですか?
A. 医療事務技能審査試験の年度別の合格率は、財団の公式ページに掲載がありません。累計では、昭和49年度からの50年で受験者171万人超・合格者99万人超と公表されています。

Q. 医療事務は独学でも受かりますか?
A. 受験資格がなく参考資料を見られる試験のため、独学でも合格を狙えます。ただし、レセプト作成の練習量が必要です。進め方は 医療事務の独学 を参照してください。

Q. 一番難しい医療事務の資格はどれですか?
A. 難関とされた診療報酬請求事務能力認定試験は、実施団体が2026年3月31日に解散しています。現在受けられる試験では、合格基準が70%の医療事務技能審査試験が中級の位置づけです。

Q. 医療事務の難易度は勉強時間でいうとどのくらいですか?
A. 公式の目安はありません。講座会社の目安では、メディカルクラークで約200〜300時間(キャリカレ)とされています。詳しくは 医療事務の勉強時間 を参照してください。

筆者の見解(医療事務の難易度)

私見では、医療事務の難易度は「合格率」より「3科目すべてで70%」という合格基準の形で判断するほうが実態に近いと考えます。累計から計算した約58%は形式の違う時代を含む数字で、講座会社の「約50%前後」も条件が示されていないため、どちらも受かりやすさの目安以上には使わないのがよいでしょう。見落としやすいのは、参考資料を見られる試験でも、点数表を引く速さが足りないと実技IIの時間内に終わらない点です。難易度を比べるなら、求人で求められる資格名と、自分が実技の演習にどれだけ時間を割けるかを先に確かめることを優先したいところです。

医療事務の難易度の関連項目

出典(一次情報)

本記事は資格・試験に関する一般的な情報の提供を目的としています。試験の日程・受験料・受験資格・講座の料金や制度は変更されることがあるため、最新の内容は試験実施団体・所管官庁・各講座の公式サイトでご確認ください。「筆者の見解」は一つの考え方です。